http://www.ms.t.kanazawa-u.ac.jp/~fluid/

Last updated : 15th October. 2022

データ同化手法を用いた数値解析と実験の精度向上に関する研究

 データ同化手法を用いた、数値流体解析と実験結果の統合による精度向上に関する研究を行っています。解析では膨大なデータを容易に入手でき、一方実験ではデータは正確ですが入手に多くの手間と時間を要します。そこで、解析と実験のデータを同化させて両者の利点を活かす、データ同化手法が注目されています。一般的なデータ同化は、統計的な処理を通して実験データを数値計算に反映させることで、解析のデータ量はそのままに精度を向上できます。また、学部時代に研究対象としていたFVS(超小型熱式流速計)には平面に設置する構造上、センサ上方の流れ場は把握できないという課題がありました。よって本研究の目的は、FVSにデータ同化手法を用いることで同化手法そのものの知見拡張と、FVSの課題を解決することとしました。

 

1.png

 そこで、具体的に私が行ったことは、自動車模型周りを対象とした実験と解析、そして取得したデータに対するデータ同化です。実験は、大型風洞に自動車模型を設置して行いました。データの取得はFVSだけでなく、熱線流速計や粒子画像流速計など複数の計器を駆使して行い、その後プログラミングを駆使して膨大なデータの処理を行いました。解析では、自動車模型を模擬した3次元モデルの作成と解析を行い、非定常の詳細なデータを得ました。データ同化では、FVSによる実験データと解析データの同化を目標としています。そのため、初めにデータ同化手法自体の理解や、従来のデータ同化手法を応用するノウハウを学ぶことが重要だと考え、段階的に研究を進めています。第一段階では、比較的処理は単純ですがまだ前例のない、実験データと実験データの同化を行っています。その際、同化に必要な各データの精度評価手法が定まっていないことや、データによって計測した風向が異なるため近似する必要があることなどの課題が存在し、現在はその解決に取り組んでいます。


金沢大学流体工学研究室

Produced by Tatsuro YAMADA

Renewed by Taisei YAMADA