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Last updated : 15th October. 2022

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超音速複葉翼から発生するソニックブームの
数値シミュレーション

 ソニックブームとは,超音速で飛行する航空機から発生した衝撃波が大気中を伝播し,地上においてN形の圧力変動として観測される現象(図1)で,超音速旅客機を開発する際には,このソニックブームの低減が必須とされています。


図1
図1 ソニックブームの概念図

 一方,近年,東北大学流体科学研究所の大林先生らの研究グループで,衝撃波を相殺させ,劇的な抵抗低減が可能なブーゼマン複葉翼(図2)が提案されました。


図2
*東北大学 流体科学研究所 大林研究室
http://www.ifs.tohoku.ac.jp/edge/publications/biplane.pdf

図2 サイレント超音速機とブーゼマン複葉翼

 本研究では,ブーゼマン複葉翼のソニックブーム低減効果を定量的に検討するために,2次元翼型を対象にソニックブームの数値シミュレーションを行いました(図3のくさび翼とブーゼマン翼を対象に解析)。


図3
図3 一般のくさび翼とブーゼマン複葉翼

 今回の卒業研究で,以下のことが分かりました(図4参照)。

1.設計点(迎角α=0°)のブーゼマン複葉翼の地上最大圧力変動量ΔPmaxは,くさび翼より大幅に減少し,十分なソニックブーム低減効果がある。

2.しかし,設計点を外れるとブーゼマン複葉翼のΔPmaxは,急激に増加する。

図3
図4 地上の最大圧力変動ΔPmax

金沢大学流体工学研究室

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