流体工学研究室とは?
流体工学研究室では、実験と理論の両面から、地球環境負荷軽減のための自然エネルギー抽出技術や航空機、自動車、超巨大橋梁、海洋構造物、プラントの設計製作等に関連した空気、水および気液二相などの各種流体流れの諸現象について、7基の風洞、5基の水槽装置を中心に、各種試験装置を使用して、実験計測と可視化技術により解明している。また、最近急速に発展しているワークステーションによる数値熱流体解析法により、様々な環境の流れ場での数値シミュレ−ションや画像解析を行っている。 特に、乱流現象や剥離現象に注目し、
- 高速ジェットの流動特性
- 振動物体の後流流れ
- 飛行機の翼、ジェットエンジンの翼列のフラッターや強風による超巨大橋のフラッターなど、流体−物体間の相互干渉による自励振動などの空力弾性問題
- 海洋構造物の振動など、物体−物体間流れのエアロ・ダイナミックスの問題
- 浮力駆動による対流伝熱
- 地熱開発に関連した気液二相流
- 風力発電技術
などに関連する研究を行っている。なお、最近、研究室で行っている主な研究テーマは以下のようです。
1)構造物の空力特性及び渦励振やフラッターの研究 「もんじゅ」の事故原因である構造物の流力振動に関する研究をしている。円柱や矩形柱などブラフ・ボディーの単独及び複数の場合の後流渦構造及び乱れ構造と揚力、抗力などの空力特性を風洞実験、水槽実験、数値シミュレーションによって研究している。
2)海洋構造物周りの流れ構造と流力特性の研究 U字型振動流発生水槽によって広いカーペンタ数範囲にわたり振動流中における基本断面 構造物周りの流れの可視化、流体力を測定し、海洋構造物周りの流れ構造と流力特性を明らかにしている。さらに、詳細な三次元流れ構造を数値シミュレーションで明らかにしている。
3)熱流体に関する乱流数値シミュレーションの研究 差分法による数値シミュレーション法により、円柱、角柱周りの剥離流れや噴流などの外部流、単一気泡流、鉛直平板間流、急拡大管流など温度場を含めた複雑な管内流れ、さらに山越え周辺やトンネルに突入する高速列車周りの流れをk−ε乱流モデルやLES法を適用して数値シミュレーションし、詳細な流れ構造、流力特性を研究している。
4)地熱の有効利用に関する基礎研究 大型ヒートパイプや坑井内同軸熱交換器を用いた地熱抽出を提案し、地熱貯蓄層に地中熱交換器を設置した場合の地層からの集熱特性を理論的に解明している。また、亀裂を含む岩体内の流体や熱移動の数値解析法及び実験を行い、亀裂面 の幾何学的形状と流動抵抗間の相関性を研究している。さらに、新方式の地下水流速・流向計を開発研究している。
5)気液二相流に関する研究 地熱発電の生産井、空調機の膨張管内や洗浄用ノズルなどの気液二相流の流れに関して、実験及び数値シミュレーションにより詳細な流れ特性を明らかにしている。
6)噴流構造に関する研究 織機の1つであるエアジェットルームのメイン及び補助ノズルからのジェットなどを対象とし、流動実験や可視化観察、数値シミュレーションを行い、その噴流特性、大規模構造を調べている。また、スピーカによる流れの強制加振法により噴流の混合制御に関する研究を行っている。
7)生体内弾性管路の流動特性の研究 コラプシブルチューブ内の流動とチューブ変形を伴う自励振動の発生機構について模擬実験及び数値シミュレーションによって研究している。
8)小型風力発電に関する研究 風力発電の性能向上を計ることを目的とし、風洞実験や自然風による実地試験を行い、独立した電源としての小型風力発電の研究を行っている。
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