北陸数論セミナー 過去の記録(平成25年度)

第159回 (平成26年2月21日 16:30〜) いつもと曜日・時間が違います
講演 田中覚氏(北陸先端科学技術大学院大学)
    ペアリング暗号に適した楕円曲線について
概要  楕円曲線上定義されるペアリングは, 近年はIDベース暗号や秘密計算法等, 最新の暗号技術への応用がある. 実用化における問題の一つに, ペアリング計算が容易,かつ楕円曲線上の離散対数問題の計算が困難な曲線を構成する問題がある.
 本講演ではこれらの問題の背景と, 実際の構成法に関して具体的な例を示し,関連する話題について述べる.
第158回 (平成25年12月19日 18:30〜) 
講演 山田泰久氏(福井商業高校)
    数のデザインについて
概要   正の実数に対してそのデザインという概念を導入し、連分数展開との関連について考察する。
第157回 (平成25年11月28日 18:15〜) 
講演 尾崎学氏(早稲田大学)
   無限次代数体に対するNeukirch-内田の定理について
概要    Neukirch-内田の定理は,2つの有限次代数体K,Lの絶対Galois群が同型であれば,KとLは体として同型であるという主張である.この主張をある種の無限次代数体へ拡張する試みについて述べる.
第156回 (平成25年11月21日 18:30〜) 
講演 小松亨氏(東京理科大学理工学部)
   類数がともに n で割り切れる虚2次体 Q(\sqrt{D}), Q(\sqrt{mD}) について
概要   正の整数 m と正の整数 n に対して, 虚2次体 Q(\sqrt{D}) と Q(\sqrt{mD}) の類数がともに n で割り切れるような負の整数 D の構成法について説明する。
第155回 (平成25年11月14日 18:15〜) 
講演 山下浩氏(金沢大学人間社会研究域)
   CM体の uniut index についてU
概要   以前の北陸数論セミナーで紹介したLemmermeyerのCM体のunit indexに関する結果に関連して
   KをCM体,kをその最大実部分体,qをKのunit index, cをKで単項化する
   kのイデアル類の個数とする.このとき,q=c=1, または, qc=2である.
   どちらになるかは,kのイデアル類群をCとするとき,Kで分岐する
   素イデアルが生成するC/C^2の部分群の構造により決まる.
が成り立つことを紹介する.
第154回 (平成25年10月31日 18:15〜) 
講演 許斐豊氏(学習院大学)
   2面体拡大とL-関数の特殊値について
概要   岩澤主予想に関連し, 総実代数体上の有限次総虚Abel拡大体の整数環のあるエタールコホモロジー群(Quillen-Lichtenbaum予想によると K群と一致している)とL関数の負の整数における特殊値には密接な関係があることが知られている.しかし,非Abel拡大の場合には, このような関係は明示的に述べられていないように思われる。
 そこで,本講演では2面体拡大に関しても同様の関係が成り立つことについて述べる。
第153回 (平成25年10月17日 18:15〜) 
講演 谷口哲也氏(学習院大学客員研究員)
   大量の整数データに対する総当たりGCD計算の高速化について
概要    この計算は、p巾分体の相対類数に関するデータ解析の際に現れたものであり、学習院大学の中島匠一氏、茨城大学の市村文男氏との共同研究の一環として行ったものである。
  その中身は(相対類数から決まる)自然数たちの間のGCDを、すべての組み合わせに対して求める計算、すなわち総当たりのGCD計算である。総当たりGCD計算を素朴に実行すると、計算時間はデータの個数の2乗に大きく影響を受ける。そのため素朴な方法では長大な時間がかかるが、本講演で述べる工夫により高速化が可能であることを報告する。
第152回 (平成25年10月3日 18:15〜) 
講演 若槻聡氏(金沢大学理工研究域)
   軌道積分,表現の指標
概要   この講演の内容は今年度のサマースクールでの講演と完全に同じです。この講演では既約許容表現の指標と軌道積分について紹介します.特にHoweやHarish-Chandraによる指標のgerm expansionについて解説することが主な目的です.
第151回 (平成25年8月1日 18:15〜) 
講演 浜畑芳紀氏(立命館大学)
  Dedekind sums in function fields
概要  以前に、A. Bayadとの共著の論文で、関数体の各$A$-格子に対して、Dedekind和とその高次元化を定義して、相互法則を証明した。本講演では、Apostol型のDedekind和とその高次元化の類似を扱う。はじめに、パラメータ付きの高次元Dedekind和を導入して、相互法則を証明する。系として、高次元Dedekind和の相互法則が得られる。次に、各$A$-格子に対して高次元Apostol−Dedekind和を定義する。この母関数が、パラメータ付き高次元Dedekind和であることを示す。この結果から、高次元Apostol−Dedekind和の相互法則が証明できる。時間が許せば、保型形式との関係についても触れたい。
第150回 (平成25年7月18日 18:15〜) 
講演 橋詰哲靖氏(金沢大学数物科学専攻D1)
      Jacobi Hecke環の構造について
概要   Jacobi形式に付随する L関数の解析接続・関数等式は,indexがunimodularな場合には村瀬篤氏によって得られている.この結果をindexがmaximalという状況に拡張したい.
   そのためには,一般には非可換となるJacobi Hecke環の構造を決定することが不可欠である.現在までの研究結果について報告する.
第149回 (平成25年7月4日 18:15〜) 
講演 野村 明人氏(金沢大学理工研究域)
   位数が p^3 の群に対するガロアの逆問題の不分岐解について
概要   p, qを奇素数とし,kを有理数体上のq次巡回拡大体とする.Eを位数がp^3の非アーベル群とするとき,k上の不分岐ガロア拡大でそのガロア群がEと同型なものが存在するか?という問題を考える.本講演では,p-1 または p+1がqで割り切れる場合に,そのようなガロア拡大が存在するための条件を考察する.
第148回 (平成25年6月20日 18:15〜) 
講演 若槻 聡氏(金沢大学理工研究域)
   概均質ゼータ関数(サーベイ)
概要   概均質ゼータ関数(新谷ゼータ関数)に関する基本的な事柄を説明する。その後に時間があれば、いくつかの応用について紹介する。
第147回 (平成25年6月6日 18:15〜) 
講演 岸 康弘氏(愛知教育大学)
   偶数周期の連分数と末尾急増型主要対称部分
概要   {1, \omega(d)}を実二次体Q(\sqrt{d})の標準的整数基底とする. 我々の目的は\omega(d)の連分数展開の周期を使って実二次体全体を分類し, 各周期ごとに実二次体の類数を調べることである. 
 数値実験により, 各周期の最小元が類数1の実二次体を与えることを予想しており, もしこれが正しいならば類数1の実二次体の無限族が得られる. 各周期の最小元を探すために「末尾急増型(ELE型)主要対称部分」という概念の導入を行う. 末尾急増型主要対称部分は「pre-ELE型有限列」から構成されることがわかる. 副産物として, 4以上の各偶数周期において極小型実二次体の無限族を構成する. 
なお, 本研究は河本史紀氏(学習院大学)と冨田耕史氏(名城大学)との共同研究です.
第146回 (平成25年5月23日 18:15〜) 
講演 島田 勉氏(東北工業大学)
   3乗剰余の連続列と最小非剰余の評価
概要   3を法として1に合同な素数に関する3乗剰余および非剰余の分布、特に連続列について
 1.どれくらいの長さの連続列が実際に存在するか
 2.存在する場合どれくらいの個数あるのか
 3.指定された長さの連続列が存在するための素数の大きさの評価
 4.3乗剰余の連続列の長さの最大値の評価
等について報告いたします。
第145回 (平成25年5月9日 18:15〜) 
講演 木村 巌 氏(富山大学理工学研究部)
   巾剰余記号のガウス和と相互法則について
概要   Wilson素数やその類似の探索をきっかけに,巾剰余記号についてのガウス和,特にそのようなガウス和の簡潔な表示に興味を持ちました.関連して,巾剰余記号の相互法則の証明についての最近の動向についてもお話できればと思います.
参考文献として,次を挙げます:
C. R. Matthews, Invent. Math. 54 (1979)
D. Grant, Crelle 586, (2006)
O. Demchenko and A. Gurevich, PAMS 141 (2012)
第144回 (平成25年4月25日 17:30〜) 
講演 藤井 俊 氏(金沢工業大学)
  On Greenberg's conjecture for imaginary abelian fields
概要  pを素数とする。代数体kの最大自由Z_p拡大K上の、最大不分岐アーベルp拡大L/Kのガロワ群へは完備群環Z_p[[Gal(K/k)]]が作用し、GreenbergによってGal(L/K)はZ_p[[Gal(K/k)]]加群としてpseudo-nullであろうと予想されている。
 kが虚2次体、虚4次アーベル体の場合にそれぞれMinardi氏、千葉工業大学の伊藤氏によって、Greenbergの予想についての結果が得られていた。
 本講演では、伊藤氏の結果を4次以上へ拡張したことについて話をしたい。